個別入試業務に関する大学側の方針とその問題点

文書情報: 2005年1月28日, 本ウェブサイトにて公開

個別入試業務に関する大学側の方針とその問題点

 1月26日に予備交渉で、大学側は個別入試の労働条件に関する大学側の方針を提案 しました。その内容は、下記の通りです。

 (1)職員も教員も、平日に行なわれる試験に関しては、8時間を超えない範囲で通常 の勤務とみなし特別の手当を支給しない。休日に行なわれる試験に関しては振替休日 の取得をする。

 (2)教員の入試業務に関しては裁量労働制との関連が問題となるが、当局の解釈に よれば、「専門業務型裁量労働制に関する協定書(P)の第3条に、「ただし、授業、諸会議 及び大学行事等本学の業務運営上学長が認める業務については、対象外とする」と規 定されており、したがって入試も裁量労働制の対象外であるが、この部分が全体の5 割未満におさまるならば、裁量労働制を逸脱しない、そしてこの対象外の業務は管理 の対象となるので、大学は教員に入試業務を命じることができる。

 (3)休日に行なわれる入試業務には、「時間外労働及び休日労働に関する協定書(P)が 適用されるが、当局の提案によれば、就業規則には振替休日の措置が規定されてお り、「時間外労働及び休日労働に関する協定書」第2条(2)の、「入試業務、大学行事、 諸会議等に係る業務により、法定労働時間内の勤務では処理が困難なとき」は、時間 外労働・休日労働に該当する条件を定めているが、振替休日を取得して当該週の労働 時間が「法定時間内」すなわち40時間の範囲を越えなければ、入試業務は休日労働には 該当しない。

 (4)個別入試に関するこのような取扱は今年度に限定したものであり、来年度以降 については、就業規則の改訂も含めて再検討したい。

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 まず、今回の提案はこれまでの当局が労使協定に施してきた解釈の変更をともなう ものであり、そもそも裁量労働制の対象という観点から研究と教育を峻別することが 妥当かどうか、休日労働に「みなし労働」を適用することが妥当かどうか、と言った、 かなり議論の余地がある内容です。次回の入試(2月5日の大学院前期課程二次募集)の 直前になって、このような提案を一回限りの交渉で合意せよというのは、少々強引の 度が過ぎるというものです。

 しかも、既に実施されている大学院前期課程や社会人選抜などの入試業務における 労働条件との整合性も問題です。これらの入試に関しては、職員はすでに振替休日を 取得させられていますが、試験の当該週に振り替えを取得できなかった職員も存在し ており、教員については今後振替休日を取得するということになりますが、これらの 措置は労働法上是認されていません。

 さらに今後実施される入試にも同様の問題が生じ、例えば個別学力試験後期日程は 3月12日の土曜日に行なわれますが、この場合には同月7~11日に振替休日をとらなけ ればなりません。ただでさえ年度末の多忙な時期に、入試に従事したすべての教職員 がこの期間に休日を取得することが可能でしょうか?振替休日を取得できない場合に は、超過勤務扱いとなり、該当者には超過勤務手当が支給されることになりますが、 それは大学にとってかなり大きな負担となりそうです。しかし、大学側はこれらの点 を承知の上で、該当者に振替休日を強要することで事態を収拾しようとしているので す。

大阪外国語大学教職員組合書記局
2005年1月28日


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初版: 2005.1.28 ; 最終更新: 2005.1.28
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