過半数ニュース2020年3月28日号

大阪大学箕面地区過半数代表者より箕面地区で働く全教職員のみなさまへのお知らせです。

皆さま

3月26日,4事業場(箕面,豊中,吹田,附属病院)の過半数代表者と大学との
間で,来年度の労使協定に関する協議が開かれました。箕面からは,過半数代表
と補佐役など計3名が参加しました。

過半数ニュースでは以下の2本立てで,協議の内容をお伝えします。

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過半数ニュース その1「協議の内容と労使協定の締結」
過半数ニュース その2「箕面からの申し入れに対する回答」

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過半数ニュース その1「協議の内容と労使協定の締結」


大学側の出席は、奈良理事以下、人事課職員、労働者側は和田豊中、小野田吹
田、藤原箕面、武田病院の4地区過半数代表とオブザーバー(このうち箕面地区
からは2名)でした。
はじめに、総長の出席を求めた豊中・箕面の要望に反して、人事労務担当理事し
か出席していないことについて、豊中代表から協議が対等ではないとの表明があ
りました。大学側の返答は、法人の立場は人事労務担当理事が説明するとの従来
通りのものでした。
続いて、2019年4月~2020年1月までの時間外労働の状況について事務方からの説
明が始まりましたが、労働者側への資料配布にはそれぞれの事業所(箕面なら箕
面)の数字しか記入されておらず、「資料がないまま説明されてもわからない」
との意見が出され、事務方と同じ資料が急遽コピー・配布されることになりまし
た。この件については過去3年にわたり同じ要望を出しているにも関わらず改善
されないため、「来年度からは必ず全ての事業所の数字が入った資料を配布す
る」点を約束させました。
2019年4月~2020年1月に時間外労働をした事務系職員は、箕面では29人(94%)
で、平均の時間外労働時間は157.5時間です。これは1月末時点の数字であり、前
年度には事務系職員全員に時間外労働の記録があります。また、すでに360時間
を超えて36協定の特別条項の適用となった事務系職員が、箕面では3人(うち2人
は400時間越)となっています。冒頭の挨拶で理事は「このようなことは一人で
もあってはならない」というつもりで臨むと発言されましたので、是非改善して
いただきたいと思います。
つぎに、豊中代表からは、有給休暇の取得状況について事前に問い合わせていま
したが、これについても文書での回答が用意されておらず、事務方と同じ資料を
配布するよう要求し、急遽コピーが手渡されました。有給休暇の取得状況は教員
系以外で平均13.3日でしたが、「平均は意味がない」との意見が出され、大学か
らは有給休暇取得ゼロ日の人数のみが示されました。(流石に)教員系以外でゼ
ロ日の人は3名で、大学側は取得率について満足しているような発言がありまし
たが、豊中代表からは「昨今の企業であれば、全員が100%取得しても業務が回る
ように最初から設計されている。本来そのように考えるべきである。」との主張
がありました。これに対して、大学側からの反論はありませんでした。
今回大学から提案された協定案は以下の三件です。
①2020年度の「時間外労働及び休日労働に関する協定」(36協定)については、
2019年度と同じく、「緊急その他やむを得ない臨時の事由」がある場合にのみ、
月80時間、年間450時間の範囲内で時間外労働を命ずることができるようにする
という内容です。
②「専門業務型裁量労働制に関する協定」については、さらに2年間継続すること
が提案されました。
③「育児休業、介護休業、子の看護休暇及び介護休暇等の適用除外に関する協定
書」においては、継続勤務期間が6か月に満たない者について、子の看護休暇及
び介護休暇の適用除外から外すことが提案されました。

①「時間外労働及び休日労働に関する協定書」について
第一条についても、以下のような変更案が出されました。
「第一条  大学は、次の各号のいずれかに該当する場合には、職員に対して、
時間外労働等を命じることができる。時間外労働等を命じられた職員は、正当な
理由がある場合を除き、その命に従わなければならない。
一 入学試験等の実施により、業務量が一時的に増加するとき。
二 各種の行事又は会議等の準備により、業務量が一時的に増加するとき。
 三 突発的な事故の発生等により、業務量が一時的に増加するとき。
 四 災害又は災害発生の恐れがあり、必要な作業を行うとき。
 五 施設の管理又は補修を行うため、必要な作業を行うとき。
 六 その他、前各号に準ずる業務上の必要があるとき。
  ←これを削除して、「総務、人事、経理、施設、教務、入試、図書館事務等
の事務が輻輳しており、業務量が一時的に増加するとき。」に変更   」


この変更案に対し、吹田代表は「事務等の事務」の文言が重複している点を指摘
した後、「輻輳」の語句の大学側の解釈を質しました。これに対する大学の説明
を受け、吹田代表は、「輻輳」には「横断」と「集中」の二つの意味があり、改
正後の第六項は複数の解釈ができる曖昧な表現で、問題があるとの意見を述べま
した。
 これに対し大学側は、この文言は、これまでの(本協定の特別条項の適用者が
あった場合の)通知書で使用されていた区分に合わせて改訂するものであるとの
説明がありました。実際には、通知書には7つ目として「その他」という項目が
あり、これまで箕面では「その他」が理由となる時間外労働が行われていまし
た。そこで箕面代表が、「この文言の解釈を変えないのであれば、今後大学は7
つ目の「その他」に該当する時間外労働を命じることはできなくなるが、それで
よいのか」と質問し、大学は「そのとおりだ」と回答しました。そこで、「箕面
における「その他」の具体的中身は「キャンパス移転業務」と書かれているの
で、「キャンパス移転業務」という理由では大学は時間外労働を命じることはで
きないですね」、との念押しをしました。

 (※大学は今後、「総務業務」「教務業務」といった業務名に替えて時間外労
働を命じることを考えるでしょう。まさに、曖昧な解釈を利用する可能性があり
ますので、今までと同じ内容でありながら業務名を変えるということがないよう
注意する必要があります。)

また、労働者側から、「時間外労働が特定の部署、特定の職員に集中しており、
それが何年も改善されていない」こと、「それはすなわち時間外労働が「常態
化」していることを意味するが、協定書によれば、時間外労働等は「一時的に」
業務量が増えたときにのみ認められるものであり、恒常的に時間外労働等を命じ
ること自体が協定違反である」といった意見が出されました。

②「専門業務型裁量労働制に関する協定」について
 豊中代表から、「教員の裁量労働制」とはそもそもどのようなものであるかと
いう確認がありました(※授業や教育関連業務の時間が、多くとも、(略)おお
むね5割に満たない程度であること、という行政解釈があります)。そのうえ
で、理系であれば、特に助教の研究時間はどんどん減ってきており、実際に教員
の研究時間がどの程度か、調査すべきではないか、と訴えました。また、教員が
必要な研究時間を確保するためには、それをサポートする人員配置が必要である
が、職員の業務もオーバーフローしており、それが教員の研究時間の減少につな
がっているという発言も複数ありました。
 「業務量が年々増えており、皆限界にきている」という声があがったことを受
け、箕面代表からは、今回の新型コロナウイルスの件で特別休暇の取得がどの程
度あったのかを質問しました。大学は、相当数の取得があると回答しましたが、
「箕面のアンケートでは、現実には休める状況にないという切実な声が出てお
り、それぐらいマンパワーは逼迫していることを理解してほしい」と訴えました。

③「育児休業、介護休業、子の看護休暇及び介護休暇等の適用除外に関する協定
書」について
継続勤務期間が6か月に満たない者について、子の看護休暇及び介護休暇の取得
が可能となりますが、さらに進んで「育児休業、介護休業」についても認めては
どうかという提案がされました。「若手・女性教職員の採用を謳っておきなが
ら、大学の動きは鈍い」、さらに、「他大学から移った教員の場合、勤務期間が
ゼロから始まるのは条件として悪く、優秀な人材を確保する際の障害となってい
る」といった意見も表明されました。

最後に、これまでの「改正パート・有期雇用労働法の施行等」や、「懲戒処分手
続きに関わる」就業規則の改正において、過半数代表への意見聴取が形式的なも
のとなっていることが露になったという豊中代表の意見に対し、大学側は決して
形式的なものと考えてはおらず、指摘されたことは十分検討していると返答しま
した。豊中代表は、大学にふさわしい意思決定プロセスをとるよう再度要求し、
箕面代表も、「今回の懲戒処分手続きの件では、すでに就業規則は改正されたも
のの、内規や規定等は我々の意見や専門家の意見も聞いて再考をお願いしたい」
と述べました。

協議では、対立点も多々ありましたが、問題の所在については大学側も認め、調
査し、改善に努めるとの約束を得ました。この点を再度念押ししたうえで、大学
側の提案した協定書に調印致しました。
(以下、次のニュースに続く)







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初版: 2020.3.28; 最終更新: 2020.3.28
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