組合ニュース2014第4号

「組合ニュース」は、大阪大学箕面地区教職員組合と全教職員とのコミュニケーションを活発にする目的で発行するものです。
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■■□ 組合ニュース 2014年度 第 4 号 ■■□■■□ 2014年11月13日 ■■□

(1)学内規則の改正――ポイントは「教授会の審議事項の制限」と「部局長選び
への学長介入」

(2)他研究科の教授会でも反対意見相次ぐ!

(3)大学の自治が試されています。一人ひとりが考え、行動しよう!

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(1)学内規則の改正――ポイントは「教授会の審議事項の制限」と「部局長選び
への学長介入」

学校教育法が改正されるにあたり、文科省は全国の各大学でも学内規則の書き換
えを行うよう要求しています。
大阪大学でも、執行部が作った新しい学内規則(案)が10月16日に各部局に提出
され、箕面では教授会メンバーに10月23日付のメールで改正案を配布、さる11月
6日(木)箕面の教授会で審議事項となりました。

■内容は周知徹底されず/審議の期間あまりに短く

「教授会の自治」を根本から崩す今回の改定案ですが、私たちの大学運営に関し
て最重要な案件であるにもかかわらず、教授会構成員にはメールで文書を送るのみ。
そのメールの件名も「教授会の審議事項等に関して」とのみ記されていて、この
忙しい時期に、あの20ページ超のファイルを事前に開いてよく目を通した人など
どのくらいいたでしょうか?

これだけ重要な問題です。本来はちゃんと時間をとって説明会の機会をもち、学
内規則案を細かく説明し、構成員に周知して十分な意見を吸い上げる努力をしな
いといけないはずです。

しかも、6日の教授会での審議。執行部への意見提出のしめきりは、翌日の7日で
した。
あの後、どのような意見書が作成され提出されたのか、私たちは確認することも
できませんでした。
学部長・専攻長は、なるべく早く提出した意見書を教授会メンバーに通知する責
任があります。


■改正のポイント①:教授会では教育研究事項のみを「審議」するのみ

改正案では、教授会は教育研究に関する事項のみを「審議する」だけに限られ、
それも「学長の求めに応じ、意見を述べることができる」となっています。
かりに学長が「は、意見ですか?べつに求めてませんよ」と言えば、教授会は意
見を言うこともできないのでしょうか?
また、阪大の教育研究評議会の了解事項として、学長は「教授会の意見に拘束さ
れるものではない」という文言が書かれています。
学長によるトップダウン強化を明確化することを目的としています。


■改正のポイント②:部局長の選出に学長が「介入」

従来、学部長・研究科長などの部局長は、教授会が選挙で選び、学長がそれを承
認してきました。
ところが、改正案では、「教授会は複数の候補者を出すこと」となっています。
「順位を付してもよい」そうな。
しかし、教授会で2位の人、3位の人を、わざわざ学長が選ぶのでしょうか?教授
会の意思はどこへ??

さらに、学長は「(必要に応じ)候補者と面談」し、その結果によって、”問題
あり”と思えば、教授会に候補者を突っ返し、「推薦しなおし」を要求できると
あります。

さらには、学長が必要と思えば、理事から(外部の人物の)指名を依頼して、候
補者にすることができる。

必要あらば「選考会議」を設置し、そのメンバーは教育研究評議会のメンバーの
中から「学長が数名を指名する」となっています。「選考会議」が学長に意見を
述べ、それを参考に学長は「複数の候補者」や「理事から推薦された人」の中か
ら、部局の長を選ぶというのです。

教授会での選挙は、現場をもっともよく知る教職員が、学生の教育と研究環境の
ために真剣に選んだ結果です。それを尊重せずに、どんな円滑な大学経営ができ
るというのでしょうか??


(2)他研究科の教授会でも反対意見相次ぐ!

ここからは、学内の他教授会での議論について、組合が得た情報をお伝えします。
この改正案について、阪大内の多くの部局の教授会では、この間かなり長い時間
をとって議論を行っているようです。

その多くは懸念の声と反対意見の表明となっていて、改正案の条項の一つ一つを
検討して、不必要なもの、訂正を求めるべきものを議論し整理しています。
これに基づいてまとめられた部局長の意見は、かなり厳しいものとなっています。

予想通りですが、多くの教授会では厳しい反対意見が出され、その多くが部局長
の選出方法に集中しています。
一例ですが、文学研究科でも「複数の候補者」に対し多くの反対意見が出されて
まとめているようです。日日センターの教授会でも「理事の推薦」に対する反対
表明が決議されました。
工学研究科や理学研究科の教授会では、以下の条項を削除または追加するよう
に、執行部に意見書を提出したもようです。

■部局長選びに教授会から「複数の候補者」を削除。(従来通り、最多数の支持
を得た1人でよい)

■部局長へ「理事からの推薦」を削除。

■評議員の中から学長が指名したメンバーで作る「選考会議」の条項を削除

■学長のトップダウン強化に対し、「学長の説明責任」や「学長解任に関する規
定」を明確化することが必要

また、部局内で十分な議論を行う時間をとるようにという要請も出ています。


(3)大学の自治が試されています。一人ひとりが考え、行動しよう!

法人化してはや10年。教授会は「審議・決定」ではなく、一方的に「通達・承
認」するデバイスになってしまった感が強まっています。
大学とは本来、教育と研究をする教員たちが自主的に話し合い、取り決め、方向
性を作って、働き、未来を創っていくものです。
しかし、これでは、教員は「お給料」という名の委託金を受け取って、授業と研
究をやってればよい。求められた時には意見を「言ってもかまわない」諮問委員
のお客様になってしまいます。

学長のトップダウン強化。(→「ガバナンス改革」とか呼ぶらしい)とは、
いったい、何のため、だれのためでしょうか?
学生のため?未来の日本を担う若者の自主性を育てるため?
研究者の独創性ある研究を発展させるため?

この今の日本の改革がほんとうにそうなのか、わたしたち大学人の一人一人が自
分の頭で考え、表現し、行動しなければ、とんでもないところまでいって戻れな
くなるかもしれません。




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初版: 2014.11.13 ; 最終更新: 2014.11.13
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