組合ニュース2014第10号

「組合ニュース」は、大阪大学箕面地区教職員組合と全教職員とのコミュニケーションを活発にする目的で発行するものです。
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■■□ 組合ニュース 2014年度 第 10 号 ■■□■■□ 2015年6月22日 ■■□


(1)国旗掲揚、国歌斉唱と人文社会学系学部等の廃止要請に関する公開質問状


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(1)国旗掲揚、国歌斉唱と人文社会学系学部等の廃止要請に関する公開質問状

組合では、これらの問題について、現総長及び次期総長に対して以下の通り公開
質問状を提出しました。

回答が寄せられ次第、お知らせします。


(以下、提出した公開質問状です。西尾章治郎次期総長への質問も 1)を除き
同じです。)
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平野俊夫 大阪大学総長殿

                            2015年6月22日


          大阪大学箕面地区教職員組合執行委員長 水田明男


 平生は総長の激務、誠にお疲れ様でございます。
 さて、すでに各種メディアによって報道されているように、6月16日東京都
内で開かれた国立大学86校の学長を集めた会議において、下村博文・文部科学
相が、入学式や卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱を要請しました。さらに、すでに
文科省が8日に通知した文系学部の廃止などの組織改編を進める方針についても
説明し、改めて改革を促したといいます。国立大学の式典における国旗掲揚・国
歌斉唱については、安倍晋三首相が4月に国会で「税金で賄われているというこ
とに鑑みれば、教育基本法にのっとり正しく実施されるべきではないか」との認
識を示しており、それを受け、下村文科相は16日、「各大学の自主判断」とし
ながらも「長年の慣行により国民の間に定着していることや、(1999年に)国
旗・国歌法が施行されたことも踏まえ、適切な判断をお願いしたい」と要請しま
した。従来、国立大学の式典における国旗掲揚と国歌斉唱は、改正教育基本法の
各大学における運用上の問題に帰せられ、各大学が個別判断で独自に実施してき
ました。文科省がこの期に及んでその厳正運用を要請するというのは、おそらく
現内閣の思想的誘導もあろうかは思われますが、我々国立大の教職員にとって
は、交付金の権限を握る文科省による威嚇行為にすら見え、現に全国の大学教員
からは「大学攻撃だ」と抗議の声が続々と上がっています。いっぽうで英語教育
等グローバル化へ向けた各種改革を飽きるほど要求しておきつつ、そのいっぽう
多くの優秀な「非・日本国民」を構成員とする研究教育機関にこの種の無神経な
要求をしてくる文科省に、私たちは一国立大に勤務する教職員として強い憤りと
不満を覚えます。
 また、6月8日に通知のあった人文社会科学系や教員養成系の学部の廃止や他
分野への転換、それを前提とする中期計画(16年度から6年間)策定要求につ
いて、16日、下村文科相は「これらの学問が重要ではないと考えているわけで
はないが、現状のままでいいのかという観点から徹底的な見直しを断行してほし
い」と理解を求めたといいます。下村文科相の発言の前段は人文系教員の職業人
としての尊厳を踏みにじる暴言なのですが、それはさておき、本来研究教育の長
期的な質の維持管理を心がけるべき文科省が、経済効率や短期的で可視的研究成
果のみを求める財界の意向を忖度し、さらに(すでに集団的自衛権をめぐる憲法
学者への攻撃に見られるように)自国の歴史や言論について自由な議論の場を提
供する文系学問を敵対視する安倍内閣の意向にこうまで諾々と従っていること
に、この素晴らしい大阪大学を勤務環境とする私たち教職員は重大な危機感を覚
えます。
 以上、国立大が置かれたこの憂慮すべき事態を前に、総長に以下の質問をいた
します。激務でご多忙の折とは存じますが、7月3(金)までに学内便、もしく
はメールにて返答いただけますと幸いです。なお御回答はすべて組合掲示板と
HPとメール配信ニュースにて教職員に公開させていただきます。

                記

 1)6月16日の会議には参加されましたか。参加されたのであれば、他の
85国立大の学長たちとどのような意見交換をされたか、開示可能な範囲の情
報を大阪大の教職員にもお示しください。

 2)下村文科相による要求2項目(①入学卒業式における改正教育基本法の厳
正実施要請=国旗掲揚と国歌斉唱の徹底化/②人文社会学系や教員養成系学部の
廃止を視野に入れた16年度からの中期計画策定要求)についてどのようにお考
えか、具体的にお示しください。

                                 以上

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(以上)


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大阪大学箕面地区教職員組合
TEL/FAX 072-728-7042
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初版: 2015.6.22 ; 最終更新: 2015.6.22
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